▼ フレーズ
※譜面をクリックすると拡大できます。
▼ 解説
コード進行は、Em7(♭5)-A7-Dm7です。
▼参考アルバム
Jesse Van Ruller「ヨーロピアン・クインテット」
今回のフレーズは、Jesse Van Rullerのアルバム「ヨーロピアン・クインテット」の2曲目「Bewithched」からコピーしたものです。
2分3秒~あたりから始まります。
A7の上に別のコードを積み上げる方法
今回のポイントは、A7(V7)で『 F♯トライアド 』を使っているところ。
これはコード理論でいうと
UST(アッパー・ストラクチャー・トライアド)
という考え方です。
USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)ではありませんから~(笑)
USTとは、カンタンに言うと
「もとのコードの上にトライアドを積み上げる」
という意味で、今回はA7の上にF♯トライアドを積み重ねているわけです。
ピアノでイメージすると分かりやすいかも。
ピアノだと、左手でA7を、右手でF♯トライアドを弾いている感じです。
さて、どんな考え方をすれば「F♯トライアド」というアイデアが出てくるのでしょうか?
少し詳しく解説しますね。
まず、F♯トライアドの構成音は
・Root : F♯(ファ♯)
・3rd : A♯(ラ♯)
・5th : C♯(ド♯)
ですね。指板上で確かめてみてください。
つぎに、この3音はA7に対して何度になっているでしょうか?
・F♯(ファ♯)はA7の「13th」、
・A♯(ラ♯) はA7の「♭9th」、
・C♯(ド♯) はA7の「3rd」
になっています。
ここで気づいた人もいるかもしれまんせんが、
13thと♭9thが含まれているスケールといえば・・・
何でしょうか?
さぁ考えて!
そう! Aコンディミ・スケールですね。
(コンディミ=コンビネーション・オブ・ディミニッシュ)
要するに、A7でAコンディミを想定しており、Aコンディミの特長的な音を抜き出してみたら「F♯トライアドができた!」ということなんです。
このように、USTの見つけ方は
「もとのコード上で使用可能なスケールを想定し、そのスケール内の音を上手に組み合わせてNewコードを作ってしまう!」というやり方が一般的です。
ところで、コンディミのサウンドは「アウトした(外れた)」感じを出すのに打ってつけ。
あのジョン・スコフィールドはコンディミを巧みにあやつっていますよね。
アウト・フレーズの僕が考えるポイントは、アウトしたら必ずインサイドへ戻ってくること。
アウトしっぱなしじゃ気持ち悪いものです。
そのためには、少し工夫が必要なんです。
もう一度、今回のフレーズを弾いてみてください。
Jesse Van RullerはF♯トライアドを経由したあと
Dm7の短3度(ファ)へ向かって
クロマチック・アプローチしていますね~。
こういうところ、見逃せないポイントだと思います。
クロマチック・アプローチでスムーズに解決!
クロマチック・アプローチっていうのは、
「目標の音へ向かって、その半音上や半音下から、もしくは全音上や全音下から半音階で近づいていく」
という手法です。
▼詳しくはコチラ
ジャズ用語集「アプローチ・ノート」
今回の目標の音はDm7の短3度であるF(ファ)です。
F(ファ)の半音下(ミ)を弾いた後、
全音上(ソ)へジャンプして
そこから半音ずつ下ってF(ファ)へアプローチしています。
コードトーンの3度と7度(バークリー音楽院ではこの2音をガイドトーンと呼びます)へアプローチすることが多いです。
理想としては、どのコードトーンへも解決できるように練習しておくべきでしょう。
これは僕の課題でもあります!
一歩一歩少しずつでいいから進歩したいものですね。
それでは、Keep Practicing !!! (^-^)/
HIDE
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