前回より、メジャースケールを練習するときのポイントを紹介しています。
今回は、“メトロノームの使い方”です。
▼メトロノームは “ 裏打ち ” で鳴らす!
4ビートの曲だと、1小節に4分音符が 4つ ありますね。
1小節 : | 1・2・3・4・ |
この中の
1拍目と3拍目を「 オモテ(表)拍 」、
2拍目と4拍目を「 ウラ(裏)拍 」
と呼びます。
つまり、“裏打ち(=バックビート)”とは
2拍目と4拍目にリズムを出すことです。
1小節 : | 1・2・3・4・ |
▼メトロノームのテンポ設定方法
ジャズ・スタンダード集には、曲のテンポが記してあります。
たとえば、僕が愛用しているスタンダード集の「酒とバラの日々(通称:酒バラ)」の場合、テンポが168 と書いてました。
このとき、メトロノームは168の半分である84 にします。
つまり、84で鳴っている音を2拍目と4拍目だと感じながら演奏します。
慣れないうちは、メトロノームの音が1拍目と3拍目に聞こえるかもしれませんが、
そんなときは
●「ワン・トゥー・スリー・フォー」と2・4拍を強く歌う。
●2・4拍目で足踏みする。
これをギターを持たないでやっていると、
少しずつ2拍目と4拍目がとれるようになります。
▼なぜ、2・4拍目に鳴らすのか?
なぜ、メトロノームを2・4拍目に鳴らすのか?
日本人は曲に合わせて手拍子をしたら、1・3拍目になってしまう人が多い。でも、ジャズプレイヤーが手拍子を入れると、当たり前のように2・4拍なんです。
これは育ってきた環境や文化の違いだと思いますが、僕ら日本人がジャズのフィーリングを身につけるには、彼らが普通に手拍子する2・4拍を感じながら演奏できないとそれっぽくならないわけですね。
2・4拍目を感じつつ、ドラムの「ターン、タァタ、ターン、タァタ」のようなSWINGフィールをイメージしながら練習できるといいですね。
▼メトロノームの落とし穴にはなるな!
メトロノームを使えばリズム感がよくなると信じている人も多いですが、ただメトロノームを鳴らすだけではあまり効果がありません。
練習の最終目的は、「メトロノームを使わない状況下で、自分の中にしっかりとしたパルスが感じられること」です。
メトロノームは「ピッ!ピッ!ピッ!ピッ!」のように一定のパルスを提示してくれるので、それに合わせて弾けることがテンポキープの練習になると思われがちですが、メトロノームに頼りすぎてしまうと、自分の中のパルスが弱くなってしまうことがあります。
実際のところ、バンドでやっていると、メンバー同士のパルスの共有がとても大事です。
人それぞれ少しずつ”走ったり”、”もたったり”するかもしれませんが、このパルスを共有していれば多少の違いは修正できます。
一人はシャッフル(3連系)、もう一人は16ビートというのが重なっている場合でも、パルスが共有できていれば心地よく聞こえてきます。
メトロノームでの練習で大切なことは、リズムキープをメトロノームに任せっきりにしないで、自分の中のパルスがどうなのかにフォーカスすることが大切なのです。
自分の中のパルスがメトロノームのパルスと比べてどうなのか、遅くなりがちなのか、速くなりがちなのか・・・こんな心構えがいいですね。
▼メトロノームにもこだわりを
何万回と聴くかもしれないメトロノーム音ですから、その音色にはこだわりたいもの。
電子音で「ピッ・ピッ・ピッ・ピッ・」と鳴るやつもあるけど、あれは耳障りでよくないです。いわゆる「コッ・コッ・コッ・コッ・」系の音の方がいい。もし、リズム・マシンで音色が選べるのなら、カウベルかリム、ハイハットなど・・・とにかくあまり耳に痛くないやつがベターですね。
それから、音量も重要。小型のメトロノームだとどうしても音量が小さくなりがち。ギターの音に消されない程度の音量が出るといいですね。さらにいえば、音量が可変式であると場所を選ばず練習できます。
<メトロノーム購入のめやす>
【1】音色が耳ざわりでないもの
【2】音量は大、可変式であるもの
最近は、リズムマシーンなるものもたくさん出ていますが、
シンプルなメトロノームに勝るものはありません。
シンプルだからこそ難しく、それができるようになったときの達成感はたまりません。もちろん、練習の効果もバツグンです。
メトロノームは、ヘタなドラマーより実はずっとすばらしいバンドのメンバーになってくれます。
最後に、僕が愛用する「KORG(コルグ)製 KDM-2」を紹介します。
↑耳ざわりのイイ音で、音量も出るし、ベストプライス!
かなり気に入ってます。
ただ・・・電源を切り忘れてしまうと、電池の消耗が早いです。まぁ仕方ないことですが、3時間後には自動で電源が切れるみたいな機能があれば最高です!!
KORG関係者の方、どうぞよろしくお願いします(笑)
↓このメトロノームを2・4拍に鳴らしながら「ドナ・リー」を弾きました。
ギターではなく、メトロノームの音色を聴いてみてください(笑)。
それから、最近はスマートフォンも普及し、いろんなメトロノームのアプリがでているようです。それらを活用してもいいですね。