コード理論の第4回目!
コードのサウンドの広がりや響きを変化させるために
コードの構成音を転回することがよくあります。
今回のお話は、基本となる重要事項です。
ここでしっかり確認しておきましょう!
▼ 音程の転回とは?
いきなりですが、問題です。
「 ドとソの音程(=音と音の高さの差)を度数で答えよ。 」
ん~なんだったっけ?
(→わからない場合は、『 度数一覧表 』を参照)
はい、答えは完全5度です。
ところが…答えは、もう1つあります!
もう1つは完全4度です。
なぜ答えが2つもあるのでしょうか?
一体どういうことなんでしょうか?
実は、これが「音程の転回」なのです。
音程とは、2音の高さの差のことだったよね。
2音のうち、高い方の音を1オクターブ下げるか、
または、低い方の音を1オクターブ上げるかによって、
もとの音程が転回されて、新しい音程に変わるんです。
では、具体的に解説しましょう!
低い方の音が「ド」、高い方の音が「ソ」になっているよね。
この2音の音程は完全5度です。
しかし、「ド」を1オクターブ上げると・・・
2音の音程は、完全4度になりますね。
つまり、「ド」と「ソ」の上下を入れかえると、音程が転回されて
完全5度 から 完全4度 に変化したんです。
コードの構成音を転回すると、サウンドの広がりや響きが変わると前述しましたが、
コード自体がもつ性格・役割は基本的に保たれます。
▼ “音程の転回”がすぐに分かる方法
それでは、音程の転回がすぐに分かる方法を紹介します。
次の【第1のルール】と【第2のルール】を使います。
【第1のルール】 完全(P) ⇔ 完全(P) 長(M) ⇔ 短(m) 増(+) ⇔ 減(-) |
【第2のルール】 もとの度数 と 転回された度数 の和が “ 9 ” になる |
◆ 【第1のルール】について
【第1のルール】では、[ ⇔ ]という記号で
もとの音程と転回された後の音程の名称を対比させています。
・完全(P)⇔ 完全(P)
…「完全音程(P)を転回したら、完全音程(P)になる」
EX.完全5度 ⇔ 完全4度
EX.完全1度 ⇔ 完全8度
・長(M)⇔ 短(m)
…「長音程(M)を転回したら、短音程(m)になる(またはその逆も)」
EX.長3度 ⇔ 短6度
EX.短3度 ⇔ 長6度
・増(+)⇔ 減(-)
…「増音程(+)を転回したら、減音程(-)になる(またはその逆も)」
EX.増4度 ⇔ 減5度
EX.減5度 ⇔ 増4度
◆ 【第2のルール】について
もとの度数 と 転回された度数 の和(合計)が“9”になる。
そのまま理解してください。先ほどの例で説明すると、
もとの度数とは完全5度の“5”を指しており、
転回された度数とは完全4度の“4”を指しています。
この“5”と“4”を足すと“9”になるよね♪
他の例でも確認してみましょうか。
・長7度(M7) ⇔ 短2度(m2) 7+2=9
・短7度(m7) ⇔ 長2度(M2) 7+2=9
・長6度(M6) ⇔ 短3度(m3) 6+3=9
・完全5度(P5)⇔ 完全4度(P4) 5+4=9
・増5度(+5) ⇔ 減4度(-4) 5+4=9
・増4度(+4) ⇔ 減5度(-5) 4+5=9
↑もとの度数と転回された度数の和が “ 9 ” になってるよね♪
はい、お疲れさまです。
次回は、「コードのしくみ」についてお話します。